中野にあるとある居酒屋に行った
賑やかな商店街を少し歩き、閑散としてくると店が連なる一角の地下に、そのお店はあった。
狭い階段を15段ほど降る。
中の様子が全く見えないドアが現れて、入りづらさに少し勇気をだして
ドアを開けると、低い天井に長いカウンターとテーブル席。ひと1人立てるくらいのライブステージ。
カウンターには金髪の若いお兄さん、うっすら目が開いているのかわからないおじいさん。体格のいいメガネをかけたマダム。盲目のカップル。ハットをかぶった真面目そうなお兄さん。ヒゲのマスター。
軽く挨拶をすると、殆どがミュージシャンで少し話をするだけで、きっと濃いい人生を歩んできているんだろうなと感じる。
ギュウギュウ詰めの店内て、酒を飲んだり、ミュージシャンの弾き語りに耳を傾けたり、
ぼく以外の人も、同じように別の人生があって、ここまで歩んできたんだ
みんなの人生がこの1つの場所に集まって、酒を呑み音楽で語り合う
なんだかいつもと違う、深くて暗いような、でも少しだけ光があるような、そんな場所だった