セザキリョウタです。
冬の低山では雪が溶けたり葉っぱが雪に混ざっていたりして
軽アイゼンやチェーンスパイクに雪が固まってつくことがある。
このように、気温が上がった昼ごろや、雪に葉っぱが混ざる低い山では
大きな雪の塊が付いてしまい、下降時にすべってしまい危険です。
チェーンスパイクと違い、軽アイゼンにはプラスティックのアンチスノープレートと呼ばれるものが付いていて
雪がアイゼンに着いても、雪のかたまりにならずにアイゼンに着いた雪を剥がしてくれる役割があるプレートが着いています
しかしこのチェーンスパイクにはアンチスノープレートは着いていなく、販売もされていないことから
自作で作ってみることにしました
安価な市販のラバーを加工して簡易型のスノープレートを自作して実際につけて雪上歩行をして
実験の結果は『半分成功』というところでしたが、課題も多く見つかった
チェーンスパイクに自作アンチスノープレートをつけて歩いてみた
1月の終わりに、山梨県の大月市、高川山という秀麗富嶽十二景の一つで高川山という山に登り
スノープレートをつけたチェーンスパイクで登りました。
珍しく東京では積雪20cmという大雪に見舞われた後の山とあって、低山でも十分な
スノートレッキングを期待してゆきました。
左の青いものが、モンベルの軽アイゼン。6本爪タイプ。
青いプラスティックの部分がアンチスノープレートになっていて、これが雪がくっ付きにくくなるもので
このモンベルの軽アイゼンは優秀で大雪でラッセルが不要な場合は、これ一つで低山の雪山は十分楽しめます。
固定がストラップ式になっているので、時々緩みのチェックをしたりが必要ですが
5年以上使用しても壊れず、タフなギアです。
右側の赤いものが、CAMPから発売されているチェーンスパイク、アイスマスターというシリーズ。
つま先とかかと部分が分かれてセパレートになっている。
モンベルからも同じようなスノースパイクが発売されていますが、CAMPに比べてやや爪が短くて
より歩きやすく作られている気がします。CAMPは爪が長く、軽アイゼンよりは短めです。
チェーンスパイクのメリットといえばフィット感の良さですね。爪も足のつま先からかかとまで着いているので
坂道で踏ん張る時に良いと考えます。
自作したアンチスノープレートのラバー。
固定されているフレームに1mmのラバーシートを取り付けて、穴にはハトメで強化し、結束バンドで固定しました。
製作時間は1時間ほどで、1度テンプレートを作ればラバーは簡単に切り出せます。
実際に雪上を歩いもらいました。(チェーンスパイクはパートナーに装着してもらいました)
実験には申し分ない雪です。午前中は気温も低かったので
雪も付きにくかった。雪の塊はほとんど確認できず。
ラバーの効果もあったかもしれませんがモンベルの軽アイゼンも午前中の気温が低い時間は
ほとんど雪はつきませんでした
そこそこの坂道も深い雪でなければ、かかとの爪ももしっかりと使えるので
滑らずに登れています。
石と雪が混ざるコンディションには特に良いと思います。
また、CAMPのチェーンスパイクは、マジックテープのバンドが付いていて
程よく固定されるので外れてしまうことも少ないでしょう。
急な登り。辛そうですが、滑り止めも効いています。
頂上に行くにつれて、気温は下がりました。湿った雪ではありません
高川山頂上に到着しました。
太陽もでていて、12時30分。気温も上がっていました
頂上では、日陰になると寒く感じましたが日に当たっている部分の雪は溶けて
周囲は水たまりができていました
下のコンディションは湿り雪です。
下り坂です。雪の状態は、下降するにつれて水っぽくなりました。
モンベルの軽アイゼンには雪の塊がたまに着いて、石や木などで取り払いました。
スノープレートをつけたチェーンスパイクには雪の塊はほとんど確認できません。
しかし、やはり耐久性に問題がありました
右足につけていたチェーンスパイクのハトメの金属が外れて無くなってしまいました。
結束バンドもつま先の4カ所のうち3カ所が欠損。かかとは4カ所のうち2カ所が欠損。
ラバーシートも所々切れてしまっています。
雪が付かなかったのは、このぺらぺらのラバーシートが歩くたびに動いて
雪が付きにくくなったためだと想像はつきましたが、結束バンド、ハトメの金属パーツが
外れて結果『ゴミ』として山に残してしまったのが悔やまれました。こんなに簡単に壊れてしまう
ゴミがでて回収不能ならば作らないほうが良いです。これを反省し、ゴミをとして残さないように努めねばなりません。
持ち帰ってじっくりみてみると、右足に装着したチェーンスパイクにパーツの欠落、ゴムの劣化が
多くなっています。体重の乗せ方か、重心が右寄りなのか
左のチェーンスパイクのほうがパーツの欠落が少ない。
自作チェーンスパイクの反省点
実際に自分でスノープレートを作って使ってみたものの
雪が付かないという点では、実験は成功したのか?とも感じましたが
1度使っただけで多くのパーツが落ちて無くなったことで、山にゴミを残し汚したことが悲しい。
これでは全くもって意味がない。耐久性についてもしっかり考えなければ、結果は自ずと
こうなっていたことは少し考えれば分かったことでした。
もし次回自作するとすれば、改善点は
・ゴムの厚みを変更する
・結束バンドを金属製で耐久性のあるものに変更する
・ハトメの使用、不使用、強度の高い代替え品での運用など
・もっとかんたん、低コストでの自作
以上を考えた上で自作できればと思います。